喋り倒すの記しとユーチューブ運動の記し

 

人の日記を読むと自分も日記を書きたくなる不思議。
こないだふらりと立ち寄った本屋で必然のように手に取った本がこちらです。
ああ、こういうのが読みたかった。

sayusha.com

 

人にあんまり会わないのは気が楽だな〜と思ったり、人に会わなすぎて日々が単調すぎていろんな感覚の先端がずるずる溶けていくようなかんじがして焦ったり、なかなか気分が一筋縄でいかない。めんどくさい。それでも明日はやってくる。

先週はじつに二ヶ月以上ぶりに電車に乗って友人に会いに行った。
カフェでお茶してべらべら、遊歩道のベンチに座ってべらべら、雑貨屋に入って、ちいさいギャラリーに入って、さいごは引っ越したばかりのその友人のお家にお邪魔して、お互いの近況やらグチやらどうでもいいことやら喋り倒した。きっと場所はさほど重要ではなく、とにかく、いろいろわかってくれる人と会話できることがめっちゃ楽しかったです。ありがとう。
18時すぎに友人とわかれてその足で妹たちの家へ。うちは三姉妹で、妹二人が同居しているのです。自粛自粛になるちょっと前にあげると言われていたジーンズを受け取りに。妹1はとにかく整理整頓人間なのでたまにいらない服をわたしにくれるのだ(めちゃ助かる)。
妹たちの家の最寄駅に着いて、焼き鳥屋で串をテイクアウトしてから訪ねる。焼き鳥っていつぶりだろうか。昼間にさんざん友人と喋り倒したのに妹1とも喋り倒す。
そうこうしているうちにバイトがおわった妹2が帰ってきたので顔を合わせてからおいとまする。妹たちの暮らしは楽しそう。わたしは別でひとりで暮らしているが、この距離感がちょうどいい。
昼間会った友人も同郷なので、思いがけず一日じゅう博多弁で喋り倒した日となった。
福岡を出て11年目、なかなかこういう日はめずらしいんじゃなかろうか。
ひさしぶりにちょっとオシャレして出かけられたのも楽しかったな。

さてあいかわらずぼちぼち走ってはいますが、やっぱ暑い。
午前中から日中は強い日差しを受けるだけで体力を消耗するので夕方走ろう…さあ夕方、になると疲れ果ててしまって結局走れなかった…というのがけっこう続いてしまっていて、運動をさぼりだすともともとない生活のメリハリが壊滅的になくなっていくのです。
こりゃまずいな〜となんとなくユーチューブでエクササイズを検索してやってみたら、けっこう楽しくてはまってます。音楽に合わせてお手本のマネをして動くことは、自分で回数を数えて筋トレするのとかよりもずっと楽チンであっという間で楽しい。そしてさすがユーチューバー、動画の途中で「疲れやばい」「もう無理です…」みたいなかんじの、こちら側の心情を代弁するようなテロップが入り、「わたしもきついけど一緒にがんばろう!」というムードをしっかりつくっている。いやいやあなたほんとはこんなもんぜんぜん余裕でしょ、とか心のどこかで気づきながらもそのユーチューバーさんのくるくる変わる表情や動きに夢中になっているわたし。恋かな?
そうやってユーチューブ運動してるとじゃあ明日は走ってみよっかな、という気分になってくる。ところで走るときのBGMはラジオに限りますね。走りたい≒ラジオをじっくり聴きたいみたいなとこあります。部屋で流し聴きするのとはまた違うかんじがする。明日はクドカンのACTION(TBSラジオ)を聴きながら走ろ〜っと。

今日魔が差して買ってしまったカップ焼きそばがちらついてしまっています。
さてわたしはいまから食べるのでしょうか(深夜1時半すぎ)。


うろうろするの記し

 

ふわふわと浮き足立った街の空気のなかじぶんがどうすればいいのかよくわからないまま一週間ほどが経ちました。
結局わたしはいわゆる自粛生活から抜け出せず、食材や生活必需品の買い出しと走るとき以外はほぼずっと家にいたのです。が。今日。通院を口実に街をうろうろしてみた。


朝10時半に家を出て、チャリでクリニックへ。いつも激混みしてるのでそれを覚悟で文庫本を持参して行ったが(ちなみにキョンキョンの「小泉放談」)、今日はなぜだかめちゃくちゃ空いており読む暇がなかった。今日は検査があり、採血で気が遠くなりかける。サクっとおわり、お会計してクリニックを出る。
血を抜かれて若干ふらふらするのですぐちかくのドトールへ。こうやってふらりとお茶しにお店に入るなんていつぶりだろうか。
ミルクレープとアイスコーヒー。こないだたまむすびで土屋礼央がミルクレープの話をしていたのを聴いてからずっと食べたかったのだ。店内はかなり空いている。「お茶をしている自分」というのがうれしくて思わずミルクレープとアイスコーヒーをiPhoneで撮り友人にLINEする。
さて、せっかくだし買い物をしよう、食材やらの買い出しとは違う、ショッピング!

まずは世界堂へ。ここしばらく家にあるものでやりくりしていたが、じぶんで足を運んで選んだ新しいものが欲しい。パステルを4色買う。
つぎにニトリへ。布団カバーと枕カバーを新調したいなあとぼんやり思っていたので。
営業再開したばかりだからか、はたまた自粛生活で生活用品を求める人が多かったからなのか、棚がスカスカ。いいな、ほしいかも、と思うものはだいたい品切れだった。
生活用品をもっとたくさん見たくなったので、そのままIKEAに向かう。そう、ここは立川なのです。
かなりひさびさのIKEAショールームをショートカットして寝具のコーナーへ。
見始めるとたのしくなって、勢いで枕を買う。枕もそういえば欲しかったのだ。あとは枕カバーと、ちいさいまな板と、クリップライト。どれもずいぶん前から、絶対必要!というわけではないができれば欲しいなリストにランクインしていたので買えて満足。布団カバーはピンとくるものがなかったので見送り。ああ、楽しいぞショッピング!

IKEAを出て立川駅方面に歩く。このエリアはわりと最近新しい商業施設ができたので活気付いている。ちょっと小腹が空いたけど、さっきお茶したのでどこか入るのもな〜と思っていたところにファミマがあったので、ファミチキと炭酸水を買って外のベンチで座って食べる。
いちいち自分の行動に「ああ…こんなのいつぶり…」と感極まってしまう。
ひさびさのうろうろに満足し、自宅方面にチャリを走らせる。いつも走る(ランニングする)ときに通る道も、ショッピング帰りだとなんとなくうれしい。

帰宅してさっそく購入品をひろげるの儀。筒状になっている枕を袋から取り出しひろげる。枕カバーは洗って干す。クリップライトをベッド脇に設置。まな板はシンクへ。
さあ今日はまだ走っていないのでそろそろ…。の前に、ひさびさに歩き回ったので疲労感が。ちょっと横になり、17時すぎに走りにふたたび家を出る。
1kmしないうちに「あ、きょうダメな日や」と感じる。きのう9km弱走った疲れが抜けてないのか、今日歩き回った疲れなのか、どうも膝がギシギシする。おまけに気温が高くてかなりくるしい。今日は短縮モードで行こう…と決めて4.5kmほどで終了。明日は10km行きたい。
帰宅してすぐ一枚描く。なにを?なんでしょう。ここ最近は走って帰宅したらそのままなにか描くことにしてる。なにを描いてるのか自分でもよくわからないけど、なんとなく続けられてるのでしばらくやってみてる。どうなるのか自分でもよくわからないけどわからないのを楽しめてる。ひまってすばらしいね。
ひまだから先月はひと月で走った距離がいままでで一番長かった。走る以外じっとしてることが多いから、10kmが軽く感じる。さあ今月は、どうなることやらね。




つづきの記し

 

まだまだ簡単にはおわらなそうな非・日常を記しておこう。
前回なんかいろいろがんばる的なことを書きましたがさてどんな日々か。

ゴールデンウィーク前のある日、相変わらず近所を走っておりました。
どこへ行くにもマスク必須な世の中ですが、正直走るときにマスクなんて苦しくてやってられない。マスクをしないかわりに、なるべく人の少ない道を走るようにしてました。しかしその日、ぼんやり選んだルートの行く先にうちの近所では一番の大通りを通ってしまいました。やっぱり人はけっこう多い。というか、自粛とは?と言いたくなるくらいにふつうに賑わっている。
「あ、しまった、ここは速めに走ってしまおう」そう思いそそくさとふだんよりはちょっと速めに足を進めていたところ「マスクして走って!!」という声が。
言われたときはよくわからないまま通り過ぎしばらくして「あ、今のわたしに言ったんだ!」と認識したようなかんじです。
たしかにマスク、しなきゃだめか…そうだよな…
わたしは、走りながらしゃべったりしてるわけではないしマスクなしでも大丈夫なのでは?という気持ちがありました。しかし人によってはマスクをしてない他人がいるということ自体が恐怖なのだ。そこまでの想像力はなかったな。
そう思いながらおばさんに注意されたあともその大通りを走り抜けました。
そこですれ違う人のなかにマスクをしてない人はけっこういました。マスクなしで走ってる人もいました。あのおばさんはこの人たちとすれ違ったら、わたしに言ったときと同じように注意するのだろうか。わたしがあのおばさんより年下で言いやすそうな身なり・顔立ちだから言っただけではないだろうか。
未知の病に対する対策の意識は人によってぜんぜん違うものなんだ、という想像力が足りてなかったことは申し訳なかったな、と思うと同時に、あのおばさんの妙に嫌味な口調が、なんだか腑に落ちない。
この出来事がひっじょ〜にもやもやして、それからなんだか走るモチベーションが下がってしまった。しかもゴールデンウィークを過ぎたあたりからあからさまに街に出てる人々が増えている。なんなんだ一体。
という状況と重ねてわたしは生理周期でかなり気分の浮き沈みが激しく、二週間くらい超無気力な日々を過ごしていました。
この浮き沈みをなんとかしたいとずっと思っていたけれど、ピルを飲み始めてからだいぶマシになったということでもう最近はあんまり気にせず、はいはいもう浮上するまでじっとしてますよ、と諦めている。

きのうあたりから気分が浮上してきたので走るのも再開する。
マスクは、する。ちょうど先日実家からいろいろ送ってもらったもののなかに、父が買ったらしい水着素材の布マスクのおすそわけがあったので、それをする。
不織布だったら汗でべっしょりしてしまうけど、これなら帰宅して汗だくの服と一緒に洗っちゃえばいいし。
マスクをして走ると案の定苦しいし暑い。でもマスクをしてればどの時間帯にどこを走っても大丈夫、と思うと心強い。


いろいろやろうとしているの記し

お天気がよくて、いいですね。

自転車は今週の日曜日届くそうです。
よかった、わたしの注文、忘れられちゃったのかと思った。
前回の記事を書いてから知り合いが使ってないクロスバイクを貸してくれまして、生まれて初めてクロスバイクに乗ったらアラ楽しい。一漕ぎでスーっと進む進む。ビュンビュン漕いじゃう。
ママチャリ買ったのちょっと後悔しました。ためしにキャンセルできないか注文したサイトを見てみたら、わたしのやつはどうやらできないみたいでした。クロスバイクはまたいつかの夢としよう。つかの間のクロスバイク生活を謳歌しようじゃないか。

先週までは外に働きに出ていたのだけどしばらく休むことにしました。今は家でできる頼まれ仕事などをちょこちょこやりつつ、じぶんのこともしっかりやりたい。ちょっと、腰を据えて勉強しよう、せっかくの機会だし。
そんなわけで今週は6時半に起きて、そこから作業にとりかかったり、家事をしたりしてそのあと走る、というリズムをつくろうとしてる。
なるべく走れる日は毎日走ろうとしている。
最近「走る」のハードルをあげすぎていることに気がついたのです。毎回10kmは走らないと、とか、途中で休んじゃだめ、とか。
そういうハードルをなるべく下げて、ちょこちょこ走っていこうとしている。
からだを動かすたのしみ、ちょっと忘れちゃってたみたいなので取り戻そうとしている。
わたしは街なかを走るのがすきなのだけど、飲食店のシャッターに貼られている「休業」の文字を目にしたりドラッグストアの入り口に「マスクの入荷は未定です」とデカデカと書かれているのを目にしたりするとちょっとくらいます。
毎回はちょっとたいへんだけど、たまにはお店のテイクアウトをつかいたいな。
いろいろ思うことはありますが、わたしはわたしがいまできることをやろうとしている。
最近はまっているジェーン・スーさんと中野信子さんの対談でいいなあと思ったところを書きます。

『(中野さん)終わりも始まりもなく、生きている時間を淡々と味わって、生きるということは面白いね、でいいじゃないかと思うんだけど。』

ー私がオバさんになったよ(著)ジェーン・スー《幻冬舎》

 

 

 

穴あき

 

自転車が、来ない。

 

二週間ほどまえパンクしてしまった、妹からお下がりでもらった10年モノのママチャリ。車輪はサビサビ、ボディはベコベコ、ここ一年で5回はパンク修理に出したであろう正真正銘のオンボロチャリ。もういいじゃないか、こいつはよくがんばった。新しいのを買おう。

と、同じことをちょうど一年前にも思って近所の自転車屋さんやらインターネットやらうろうろしまくったがいまいち自分の理想の自転車がなんなのか定まらず、予算のなさも相まって結局買わなかった。
しかし今回は本気だ。もう買うのだ。インターネットで自転車を検索しあちこちサイトを行き来しながらだんだんと自分の理想というものがわかってきた。
・スーパーで買い出しした荷物が載せられること
・服装、持ち物を問わず乗れること
そうするとやはりママチャリ、かっこよく言うと「シティサイクル」である。
一万円を切る格安なものもあれば、電動アシスト機能付きのご立派なものまでピンキリすぎてよくわからない。うーーーーん… インターネットの波に乗り、あちこち見てるとビビッとくるものが!ママチャリのかたちをしていて、デザインがシンプル。謎のロゴがでかでかと書かれてるようなシロモノとは一線を画す雰囲気である。カゴもそれなりに容量がありそうで安心。値段も手が出せないわけではない。よっし、これだ!!!
インターネットで買い物をするときによく出てくる「※必ず規約をお読みください」の文言をわきめに、サクサクと当方の名前やら住所やらクレジットカード情報やらを入力していく。ええい、もう買うってきめたんでぃ!ネット通販とはいえ一週間くらいで届くだろお!そのくらい待ってもいいってくらい気に入ったヤツだ、待ってやろうじゃないか !
その自転車を見つけてからものの10分ほどで購入完了。ふぅ、なかなかいい買い物をしたわね…

そして冒頭の一文に戻る。
自転車が、来ない。


注文してから4日ほど経ったとき、なんかぜんぜん、自転車届く気配ないな…?という気がしてきて、あらためて自転車を購入したサイトの利用規約を読んだ。そのとき初めてきちんと読んだ。するとなんと、わたしが注文した商品は『取り寄せ商品』であるがために到着まで一ヶ月、もしくはそれ以上かかるとのことであった。

い、一ヶ月…

自宅から自転車であちこち行き来する生活をしているいま、自転車ナシはかなりきつい。
この話をまわりの人にすると「走って移動すれば?」とか言われるがそれとこれとは別なのだ。走るときは「走る」だけをしたい。生活の移動とは別なのだ。
ならばパンクしたオンボロチャリを修理してもらって乗るのはどうか。さっそく自転車屋さんに持って行く。するとやはりこのチャリはタイヤを交換しないとだめなようで、費用は5000円かかる。あと一ヶ月のために5000円はキツイ。ワケを話すと「それなら一か八かでパンク修理してみますね、一ヶ月持つかわからないけど。」と自転車屋のお兄さん。はい、おねがいします!!
と、パンク修理してもらった翌日、なんと、もうパンクした。ははは。悪あがきするんじゃないよ!と天からお叱りを受けた気分。これからは粛々と徒歩で移動しますよ…

ということで徒歩移動の生活をしています。
自転車こげば10分ちょいで着く場所に徒歩で30分かかるとか、ちょっと遠いところにある安いスーパーに気軽に買い物に行けないとか、もろもろ支払いのための銀行巡りがしにくいとか、ちいさなストレスが積み重なる。
が、いいこともある。桜の季節、うちのまわりは桜並木がいくつかあるので歩きながら毎日微妙に変化していく春の景色を、ながら見。
もう葉桜気味な今日この頃ですが、新緑になるまえまでには、どうか自転車届きますように。。。

さてなんだか世の中はざわざわしっぱなしで、つかれてしまいました。
ツイッターの見過ぎなんだ。なにを信じていいのかよくわからなくなってくるとしんどい。スーパーの棚がすっからかんになってるのを見るのもしんどい。
香山哲「ベルリンうわの空 ウンダーグルンド」

www.ebookjapan.jp

 という漫画のなかでこんなセリフがあった。
『ゆとりとか、「大切に思われてるな」って感じたりするの、健康と同じように大事だよ』
これだー!!と思った。まわりの人を、大切に思ってるのか、思ってもらえてるのだろうか。和牛の券ってなんだよ。
まずは自分のことを自分でどうにか機嫌をとろう。
ここ最近体調を崩して自暴自棄ぎみだったのでよけいに。
スーパーでいつもの食材を買うのと一緒に、はちみつを買った(わたしのなかではちみつはスペシャルゲスト枠)。
あたらしいアロマオイルを買って、ちょっといい石鹸を買った。あと、「ベルリンうわの空」の単行本も買った。
あとはよく寝てよく食べて(いつもどおり)、運動して(走るの絶賛サボり中)、健康に暮らそう。生きてるかぎり明日がつづくのだからね。

 

 

バスのたび

はしるたび、のつづきです。

小田急新宿駅西口のほうにある京王バス乗り場にやってきた。何台か出発前のバスが停車している。【永福町】行きか、【佼成会聖堂前】行きか。聖堂の前に着くほうがおもしろそうだな、よし。【佼成会聖堂前】行きに乗り込み、運転手さんに伝えて一日乗車券を買う。さあバスの旅のはじまりはじまり。さっきおやつのチョコも買ったし、楽しく行こう。

たくさん走った疲れもあり、たまにうとうとしながらあっという間に終点の佼成会聖堂前に到着。バスを降りた目の前の光景がこちら。

 

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知っていますか、普門館吹奏楽の甲子園球場ともいえる、全日本吹奏楽コンクールの全国大会の会場です。なんとここが終点だったのです。

中高と吹奏楽部だったけど残念ながら現役時代にまったく縁がなかった普門館に来られてうれしい、しかしなんだか様子がおかしい。写真でみたことのある外観がまったく見えず、青いシートで建物全体が覆われてるよう。「建て替え中なのかな…?」と思いうろうろしてみるもののよくわからず、iPhoneで検索してみる。

なんと普門館、建物の老朽化により2018年に閉館していたのです。今は取り壊す工事の真っ最中とのこと。知らなかった。

でも、すこしでも片鱗に触れられてよかった。

…としばらくここで感傷に浸りたい気持ちもやまやま、予想以上にここからのバスの本数が少ないようなのでちょうどやってきた【永福町】行きに飛び乗る。さっき新宿で選ばなかったほうの【永福町】行き、結局乗るのです。

普門館からだんだん遠ざかってたまに通ったことある道をバスがなぞったり、まったく知らない道をなぞったり。車窓を眺めながら座っているだけで体を運んでくれるバスってなんていい乗り物なんだろう。

【永福町】って、てっきり井の頭線の「永福町駅」に着くものだと思い込んでたけど、着いた先は永福町にある京王バスの営業所だった。ガラーンとした敷地にバスだけが整然と並んでいる場所で降りる。はて、ここからどうすればいいのか。

新宿でスタートしたときには「なんとなく西のほうに向かえばそのうち国立に着くだろう」と考えていた。しかしこの永福町の営業所からのバスが西のほうに出ている様子がまったくない。さっき通った一つ前の停留所、【西永福】まで歩いて、時刻表を見る。そしてようやく現実が見えてきた。ここから西に向かうバスって、実はそんなにないのでは…?

なぜなんの根拠もなしにバスだけで国立まで帰れるかも、と思ってしまったのか…。【西永福】のバス停の目の前にあるスーパー「サミット」の店内を意味もなくうろうろする。そうだ、わたしは福岡育ち、福岡は電車よりもバスのほうが移動がしやすいのだ。(わたしの主観ですが。)電車はJRと私鉄が一本とちょこっと地下鉄が走っているだけなのに対して、バスは都心から田舎のほうまで走っていて、乗り換えさえマスターすればわりとどこまでもいける。考えが甘かった。ここは東京、電車は私鉄もJRも入り乱れてじゃんじゃん走っている。そう、電車が便利。悪の囁きが聞こえる。《体も疲れてるんだし、諦めて永福町から電車に乗って帰っちゃいなよ…》いやいやいかん、ここで諦めるわけにはいかない。

ここでようやく京王バスの路線図を見る。検索したらなんでも出てくるインターネット、ありがとう。

今いる【西永福】から西に出ているバスはほんのすこし、ここから約3km先の【久我山駅】行き。朝、家から走ったときにゴールにしていた久我山駅、本日二度目の登場です。【久我山駅】まで行けば、細切れではあるが西に繋げられそう。よし、久我山までのバスに乗れば…!

 


なんと【西永福】から【久我山駅】行き、早朝8時台までしか走ってなかった。そうすると残る方法はひとつ、【久我山駅】まで歩くor走る。えーもうこんなに体バキバキなのに…。トボトボと久我山方面に歩き始める。なにか自分を奮い立たせることでもしなきゃ、やってられない。そう思ったところにサイゼリヤが見えてきた。よし、腹ごしらえでもするか!

 


サイゼリヤに入店して、すぐにランチメニューからパスタを注文、大盛り。わりとすぐにやってきて、もりもり夢中で食べる。大盛りを食べる快感ってあるよね…、あ、水取ってくるの忘れてた。あわてて水を取りに行ってゴクゴク、もりもり、あっという間に完食なり。さあ行くべ。

 


サイゼリヤを出て人見街道という道をまっすぐ行けば久我山に着くようだ。この辺は前に一度だけ走ったことがあるのでなんとなく親しみを感じつつ、気が向いたらゆっくり走って、だいたい歩いて進む。うん、お腹を満たしたら気分も落ち着いてきた。そうこうしてるうちにどんどん進んで、サイゼリヤから30分ほどで久我山駅到着。思ったよりあっという間だったな。本日二度目の久我山ゴール。さあバスに乗ろう。

ここからのルートは完全に京王バスの乗り換え案内の通りに進む。ほんとはもっと、迷ってもいいからてきとうに乗ったり降りたりして楽しみたかったが、いかんせん約21km走ったあと、疲労はもちろんだが時間が経つにつれて筋肉がどんどんこわばってきているこの体である、早くお風呂に浸かって筋肉をほぐしたい。ついに禁じ手である乗り換え案内を使ってしまった。すこしの罪悪感。

まずは【久我山駅】から【調布駅】行きを終点まで乗り、【調布駅】から【武蔵小金井駅】行きに乗ったら途中の住宅街で【府中駅】行きに乗り換える。京王バスの乗り換え案内、バスの乗り場の地図まで出るのがありがたい。きっちり案内に従ってバスを乗り継ぐ。

調布から府中のあいだは、朝走った道をなぞったりなぞらなかったり。

電車の乗り換えと違ってバスは乗り違えたり乗り過ごしたらなかなか簡単には戻ることができないことも多いので、すこしの緊張感。そとを眺める。自宅からさほど離れてないこのあたりも、知らない道を通っていると、どこか知らない街を旅してる気分。移り変わる景色を見てるのは楽しいし、自分の知らないところで営まれる人々の生活を垣間見られるのはおもしろい。だから走るのも楽しいのかもしれない。

 


なんてことを思いつつ【府中駅】に到着。府中市国立市と隣接しているのでホームも同然である。駅前のスーパーで買い物して、【国立駅】行きのバスに乗る。この辺はたまに走りに来たりもするので見慣れた景色。自分の頭のなかの地図と、今いる現在地がカッチリはまるかんじ。

ほどなくして自宅近くのバス停で下車、約4時間の長旅はおしまいおしまい。帰宅してお風呂にゆっくり浸かって、疲れをほぐしましたとさ。

 


ちなみにこの日の筋肉痛は翌日から2日間、けっこうハードだった。背中が痛いのがしんどかった。でもまた思いつきで走っちゃうんだろうな。

おしまい。

 

はしるたび

とある冬の晴れた日の朝、ぱっちり6時に目が覚めた。きのうけっこうヘトヘトで眠りについたけど意外と平気みたい。よし、ならば。

オムレツを薄切りのトーストにのせたのを食べて、7時過ぎに家を出る。どこか行けるとこまで走ってみよう。

去年の9月ごろから、走ることを続けている。
真夏の暑すぎる時期をすぎて、ちょっと体を動かしたいなあと思って近所をなんとなしに3kmほど走ったらけっこう楽しくて、どこまで距離をのばして走れるのかやってみよう!というのがきっかけです。1月にはハーフマラソンをなんとか完走、それからも週1くらいは走るようにしている(が、わりと最近ゆるゆるです…)。

家(国立)からとりあえず府中方面に出る。東八道路という大きな道に出れば、井の頭線久我山駅まで繋がっている。もし行けたら久我山まで、しんどくなったらどこかから乗り物に乗って下北沢まで行けばいい。
そう、今日は9時半に下北沢で待ち合わせをしているのです。友人かわちゃんと。
かわちゃんとはたまに一緒に走っていて、今日のプランは(いつもかわちゃんが考えてくれるんだけど)下北沢で朝カレーを食べて、新宿まで一緒に走ろう、というもの。

さて、東八道路まですいっと出てきて、ここからはひたすらまっすぐ進めるとこまで進むだけ。東八道路、歩行者の通路が広くて、場所によっては自転車ゾーンとも分れていて、信号もそんなに多くなくて走りやすいのです。
イヤホンからはradikoで流してる前日の『ジェーン・スー生活は踊る』。TBSラジオがすきなのだけれど最近はとくにスーさんにはまっている。12時からのコーナー「相談は踊る」は必聴です。フラットな目線から、交通整備をするべくこんがらがった気持ちをスーっとほどいてくれるかんじ。
走っている体はというと、前日の疲れが残ってる気もするけど、無理して飛ばしたりしなければまだまだイケるかな、むしろあんまり気にしたらしんどさが浮き彫りになってしまう気がしてあんまり考えないことにする。とにかくすこしでも前に進もう。

リタイアして中央線に乗るならここ、という分岐点に来る。意外とイケそうだ、よしよしまだまだいこう。

 

走っていると【しんどい】と【たのしい】のターンが交互にやってくる。
わたしの場合走りはじめて3km〜5kmくらいが最初の【たのしい】、8km〜10kmくらいが次の【たのしい】のターンになることが多い。それ以外はずっとけっこう【しんどい】。この【たのしい】のときにあんまり飛ばしすぎると【しんどい】のターンがめちゃつらい。たのしかろうがしんどかろうが、とにかく淡々と、じぶんは走るだけの機械なんだ、と思い込んで走り続けると、ながく走れるような気がする。


三鷹」と付く建物が並ぶところまでやってきた。道路標識に「久我山3km」と書いてある。3kmかあ、あとすこしだな。けどこの「あと3km」がつらいんです。
radikoは『生活は踊る』が終わって前日の『たまむすび』、カンニング竹山がチョコレートの話をしていてめっちゃチョコ食べたい、、と思う。
ハーフマラソンを走ったとき、ポケットにキットカットを忍ばせていて、12kmを超えたあたりから2、3個食べたことを思い出す。チョコレートの力はすごい。ひとつ食べるとエネルギーがぐんぐん湧いてくる。
チョコは走り終えたら食べよう、とにかく一歩でも距離を稼ぐ、というか一刻も早く久我山にたどり着かねば待ち合わせに遅れてしまう!

久我山の手前で道に迷いながらもどうにかこうにか9時すぎに久我山駅到着、国立からここまで15kmくらい。我ながらひさびさながい距離を走れた達成感で気分は高揚、しかも今からカレーだ!井の頭線に乗る。ひさびさの電車。朝のラッシュがちょっとすぎたくらいの時間帯、乗客はみーんなマスクをしていて「あ、やっぱり…」とちょっと薄暗い気分になる。わたしだけ真っ赤な顔して汗だく、妙に薄着、マスクはない。

さて、ものの15分くらいで下北沢に到着、かわちゃんと朝カレー。かわちゃんが誘ってくれるお店はいつだっておいしい。コーヒーもついててさいこうのあさごはん。わたしは正直もう一歩も走れない…とかぼやくが「ここから新宿までは5kmくらいだよ」とかわちゃんが教えてくれる。カレーを食べたら元気がでてきた。さあ走るべ。
ゆっくりおしゃべりしながら走る。渋谷区は坂が多いし道がくねくねしていて冒険気分、わたしは道がさっぱりわからないのでかわちゃんに着いていく。
途中代々木八幡宮でお参り。わたしは実はこれが今年の初詣になりました。おみくじも引く。かわちゃん大吉、わたし中吉。
代々木八幡宮を出てすこししたら代々木、なんとなく通ったことある道だな〜と思っていたらもう新宿のサザンテラスの果てのほうに到着。おしゃべりしてると気が紛れて、5kmなんてあっという間なのだ。

これから仕事のかわちゃんと別れて、わたしはこれからどうしようか。まだ11時。
もう太ももの裏の筋肉がパンパンだし、歩き回るのはつらい。しかしまだ11時、中央線に乗ってしまえば30分で国立に帰れるけどそれはなんだかつまらない気がする。
ふとたまにテレビで観る路線バスの旅のことを思い出す。あ、あれで国立まで帰るっていうのはどうかな。
国立は都心からまあまあ離れているけど、京王バスなら都心も国立も走っているので、きっと一日乗車券を買えば行けるのではないか。すぐに検索したら、都心から多摩地区まで使える一日乗車券は700円とのこと。よし、これだ!

つづく。