穴あき

 

自転車が、来ない。

 

二週間ほどまえパンクしてしまった、妹からお下がりでもらった10年モノのママチャリ。車輪はサビサビ、ボディはベコベコ、ここ一年で5回はパンク修理に出したであろう正真正銘のオンボロチャリ。もういいじゃないか、こいつはよくがんばった。新しいのを買おう。

と、同じことをちょうど一年前にも思って近所の自転車屋さんやらインターネットやらうろうろしまくったがいまいち自分の理想の自転車がなんなのか定まらず、予算のなさも相まって結局買わなかった。
しかし今回は本気だ。もう買うのだ。インターネットで自転車を検索しあちこちサイトを行き来しながらだんだんと自分の理想というものがわかってきた。
・スーパーで買い出しした荷物が載せられること
・服装、持ち物を問わず乗れること
そうするとやはりママチャリ、かっこよく言うと「シティサイクル」である。
一万円を切る格安なものもあれば、電動アシスト機能付きのご立派なものまでピンキリすぎてよくわからない。うーーーーん… インターネットの波に乗り、あちこち見てるとビビッとくるものが!ママチャリのかたちをしていて、デザインがシンプル。謎のロゴがでかでかと書かれてるようなシロモノとは一線を画す雰囲気である。カゴもそれなりに容量がありそうで安心。値段も手が出せないわけではない。よっし、これだ!!!
インターネットで買い物をするときによく出てくる「※必ず規約をお読みください」の文言をわきめに、サクサクと当方の名前やら住所やらクレジットカード情報やらを入力していく。ええい、もう買うってきめたんでぃ!ネット通販とはいえ一週間くらいで届くだろお!そのくらい待ってもいいってくらい気に入ったヤツだ、待ってやろうじゃないか !
その自転車を見つけてからものの10分ほどで購入完了。ふぅ、なかなかいい買い物をしたわね…

そして冒頭の一文に戻る。
自転車が、来ない。


注文してから4日ほど経ったとき、なんかぜんぜん、自転車届く気配ないな…?という気がしてきて、あらためて自転車を購入したサイトの利用規約を読んだ。そのとき初めてきちんと読んだ。するとなんと、わたしが注文した商品は『取り寄せ商品』であるがために到着まで一ヶ月、もしくはそれ以上かかるとのことであった。

い、一ヶ月…

自宅から自転車であちこち行き来する生活をしているいま、自転車ナシはかなりきつい。
この話をまわりの人にすると「走って移動すれば?」とか言われるがそれとこれとは別なのだ。走るときは「走る」だけをしたい。生活の移動とは別なのだ。
ならばパンクしたオンボロチャリを修理してもらって乗るのはどうか。さっそく自転車屋さんに持って行く。するとやはりこのチャリはタイヤを交換しないとだめなようで、費用は5000円かかる。あと一ヶ月のために5000円はキツイ。ワケを話すと「それなら一か八かでパンク修理してみますね、一ヶ月持つかわからないけど。」と自転車屋のお兄さん。はい、おねがいします!!
と、パンク修理してもらった翌日、なんと、もうパンクした。ははは。悪あがきするんじゃないよ!と天からお叱りを受けた気分。これからは粛々と徒歩で移動しますよ…

ということで徒歩移動の生活をしています。
自転車こげば10分ちょいで着く場所に徒歩で30分かかるとか、ちょっと遠いところにある安いスーパーに気軽に買い物に行けないとか、もろもろ支払いのための銀行巡りがしにくいとか、ちいさなストレスが積み重なる。
が、いいこともある。桜の季節、うちのまわりは桜並木がいくつかあるので歩きながら毎日微妙に変化していく春の景色を、ながら見。
もう葉桜気味な今日この頃ですが、新緑になるまえまでには、どうか自転車届きますように。。。

さてなんだか世の中はざわざわしっぱなしで、つかれてしまいました。
ツイッターの見過ぎなんだ。なにを信じていいのかよくわからなくなってくるとしんどい。スーパーの棚がすっからかんになってるのを見るのもしんどい。
香山哲「ベルリンうわの空 ウンダーグルンド」

www.ebookjapan.jp

 という漫画のなかでこんなセリフがあった。
『ゆとりとか、「大切に思われてるな」って感じたりするの、健康と同じように大事だよ』
これだー!!と思った。まわりの人を、大切に思ってるのか、思ってもらえてるのだろうか。和牛の券ってなんだよ。
まずは自分のことを自分でどうにか機嫌をとろう。
ここ最近体調を崩して自暴自棄ぎみだったのでよけいに。
スーパーでいつもの食材を買うのと一緒に、はちみつを買った(わたしのなかではちみつはスペシャルゲスト枠)。
あたらしいアロマオイルを買って、ちょっといい石鹸を買った。あと、「ベルリンうわの空」の単行本も買った。
あとはよく寝てよく食べて(いつもどおり)、運動して(走るの絶賛サボり中)、健康に暮らそう。生きてるかぎり明日がつづくのだからね。